0歳児の紘太君を治療して
～改めて思った骨盤調整の凄い効果を～

報告者：　三浦美由紀

　今年2月に3,685gで産まれた紘太君が初診で来院したのは、生後1ヵ月20日でした。毎週来院されている方のお孫さんで、生まれてから首の向きが右を向いたまま、いろいろな工夫を試しても治らないのと、便秘がひどく10日しても出てこないため、病院へ行って出すという日々で、便が出た日はよくオッパイを飲むが、又段々と飲みが少なくなっていくので、骨盤調整を受けることになりました。

施術してみたところ、右骨盤上方変位、脊柱左弯曲、頚椎1，2番硬直、右肩上方変位で肩の動きが制限強くて右肩結帯動作ができない。股関節開脚状態で動きが悪く、身体を横向きにさせると、両足が閉じられなくて出来ない。うつぶせにしても左足しか動かすことができない。こんなに骨盤と背骨、そして股関節が変位と硬直による運動制限があれば、腸が働きにくくなるのは当然で、お腹はカチカチになっていました。

私たちが携わっている骨盤調整は、骨盤にある仙腸関節が身体の要となり、全身を整えていくものなので、この様に産まれたての赤ちゃんでも、大人でも施術は同じです。

　紘太君は身体が小さいので、やり方はすべて手技となりますが、まず、運動制限されている、股関節と背骨をよくほぐしてから仙腸関節治療を施し、全身を整えていきました。すると、全身がカァッと赤味が出て背柱が真っすぐになり、猫背だったのが、腰椎が反ることが出来て、大きな変化は頭を自分で持ち上げたことでした。

　骨盤調整を受けて、紘太君本人の自然良能力(自然治癒力)が1回の治療でここまでの変化をもたらした事に素直に感動しました。しかし、筋肉は又元の位置へと戻そうとする力があり、特に自分で動かすことの出来ない乳幼児では、このままでは又元に戻ってしまいます。
　
　繰り返し施術をしていくことで、成長と共に骨や筋肉のひきつれ萎縮を防ぐと同時に、そこを通る血管や神経の圧迫が正常化され良い血液循環となるのです。子供はいつも楽な方向に首を傾けているので、乳児の場合、そのまま放置すると、頭の形がいびつになってしまう危険があります。

　乳児の首が固まるのは生後3か月位なので、この間に矯正をしておかないと、とんでもないことになるのです。幼児の身体は非常に柔軟なので、自分で動きたいと思っても、手や足を自力では動かせないからこそ、骨盤調整によって、血液の循環を促進して健康に直結するのです。

　もちろんお母さんにも出来る関節の運動方法を指導して、毎日関節運動をしていただいてこそ、相乗効果が得られるというものです。紘太君は寝ている時に自分でコロコロ頭を動かせるようになって、頭がいびつにならないで良かったです。以前は右顔半分だけに湿疹が出来て右耳もむれて臭かったのも、いつの間にか治り、首がすわってからの抱っこをしたとき右手だけ肩をつかむことをしなかったのが、しっかりと握れるようになって抱っこが楽になってきました。

　4か月になって寝返りも両側コロンコロンとよく動くようになりました。まだ便は2，3日に1回くらいですが、自力で出せるようになって、満5か月で9.4kgのいつもニコニコとご機嫌な紘ちゃんになりました。

この様にこれから成長していく赤ちゃんの身体を真っすぐに育つように整えることは大切なことです。出産が終わるとすぐに生後1ヵ月検診があります。そこで、股関節脱臼の疑い有と診断される乳児は必ずといって仙腸関節をずらしています。そういわれて母親が驚いて赤ちゃんを骨盤調整に受けさせにいらっしゃいます。すると、3か月検診の時にはちゃんと治ってしまうのです。骨盤を正すことこそが股関節が正しくはまることなのです。

　改めてそのことを強調したいと思います。